皆さんこんにちは、FFXIVプロデューサー兼ディレクターの吉田です。
禁断の地エウレカ:ヒュダトス編実装から約2週間、その間たくさんのフィードバックありがとうございます
今回のエウレカシリーズ、およびバルデシオンアーセナルは、これまでのFFXIVの基礎ルールを打ち破るという新たなコンセプトを元に制作されたコンテンツです。

そのため、完結にあたるヒュダトス編には、世界中からいつもよりも非常に多くの感想とフィードバックをいただいています。
また、フォーラムにお寄せいただいているフィードバックの内容は、北米/欧州と日本で大きく異なる傾向にあるのが特徴でもあります。

本日予定されているHotFix以降、ヒュダトス編/バルデシオンアーセナルに対して、いただいたフィードバックを元に、
いくつかの調整を行いますが、それに際し、いくつかのフィードバックへの開発回答や、調整方針のご説明などを合わせて記載いたします。

なお、今回のポストは、吉田とリードバトルコンテンツデザイナーの中川からとなりますので、よろしくお願いいたします(長文ですみません)。

■バルデシオンアーセナルクリア後のストーリーについて(吉田)■

フィードバックをいただいています、バルデシオンアーセナルクリア後のストーリーですが、従前のインタビューや情報でもお話しした通り、
吉田としてはこれを追加ストーリーやエンディングとは解釈せず、現状でのリリースを決断しました。
しかしながら、「ストーリーがある」と感じてしまった方々には、誤解を与えてしまう表現となり、申し訳ありませんでした。

本件については、開発チーム内でも実装に際して、相当の議論となりました。このバルデシオンアーセナルクリア後のシーンは、
すべての人が体験するものではなく、とあるキャラクターの問いに対して、特定の返事を行い、その状態でバルデシオンアーセナルを完全踏破した際に流れます。
もう片方の選択肢を選んだ場合には、発生しないものです。

しかし、そのキャラクターの問いに対して、いずれの返答を行った場合でも、エウレカのストーリーはそこで完結を迎えます。
実際にプレイしていただいた方であれば、非常に大きな決断を迫られることをご理解いただけていると思います。
そこで悩み、決断していただいた時点で、プレイヤーの意思と結末は決まったと解釈して実装を判断しました。
また、いずれの選択肢に対しても、バルデシオンアーセナル突入の前に、明確なエンディングをご用意したつもりですので、
禁断の地エウレカとしては、そこで完結しているというのが僕の判断でした。

バルデシオンアーセナルクリア後に、特定状況下のみ流れるシーンは、「真エンディング」でもなければ、
「エピローグ」でもなく、光の戦士たちの挑戦の末に、運よく起こった出来事として描くことにしました。
選択肢による決断を迫られる際に、これを予測することは不可能だからです。
それと同時に、選択肢を選んだことについて、若干の後味の悪さも感じることになったと思われますが、それがこの実装の意図でもあります。

しかし、いずれにせよ、今回のこの実装方法が、大きな反響を呼ぶことになってしまったことについて、深く反省しています。
また、発言に際しても、今一度慎重を期するよう努力いたします。本当に申し訳ありませんでした。

以下、リードバトルコンテンツデザイナーの中川からのコメントを記載させていただきます。

■リードバトルコンテンツデザイナーの中川からのコメント(中川)■

皆さんこんにちは。リードバトルコンテンツデザイナーの中川です。
たくさんのフィードバックとディスカッション、ありがとうございます。

バルデシオンアーセナルの突入仕様まわりでのストレスについて、まずはお詫びさせてください。大変申し訳ありませんでした。
また、禁断の地エウレカ:ヒュダトス編およびバルデシオンアーセナルを、マナーをもって楽しんでプレイされているかたに感謝いたします。
本当にありがとうございます。

今後の調整方針などについて、以下にまとめましたのでご一読くださいますと幸いです。

「地脈安定器」の入手方法の緩和(中川)

「地脈安定器」はバルデシオンアーセナルにほぼ確実に突入できるようにするために企画されたアイテム(優先チケット)ですが、
入手難易度が高すぎるため、現状ではほとんど使用されていません。
地脈安定器の入手が簡単すぎると、優先チケットとしての役割を失ってしまう懸念があったため、入手難易度を高く設定していましたが、
現状のままでは問題があるため、入手方法を緩和することで本来意図された使い方ができるように調整いたします。
この修正は本日のHot Fixで適用され、現状と比較すると大幅に入手しやすくなります。

この調整は、ある程度の時間コストで地脈安定器をしっかり準備して突入できるようになり、現状の偶発性や競争が緩和されていくことを目的としています。
この調整の実装後も経過を拝見しつつ、必要に応じて調整を行うつもりです。

「バルデシオンアーセナル調査支援」の報酬を増加(中川)※以下「調査支援」

調査支援をクリアした際の報酬が少ないとのフィードバックを多数いただきました。
調査支援の難易度と報酬のバランスをとるため、報酬「ヒュダトスクリスタル」数を大きく増加させます。
こちらも本日のHotFixにて修正が適用されます。

こちらにつきましても、引き続き動向を確認しつつ、必要に応じて今後も調整を行う可能性があります。

「調査支援」および「未知なる脅威オヴニ」の途中抜け問題について(中川)※以下「オヴニ」

本件について、ヒュダトス編における、非常に大きな問題の1つと考えており、改善案の実装と検証を急いで進めております。

現状の問題は、パッチ公開直前に「オヴニ」のノックバック攻撃によって、権利を得られないプレイヤーが出てしまうという不具合に対応するため、
権利取得をフィールド全域判定にしたことにより発生してしまいました。
現在の仕様では、権利を確定したプレイヤーが「オヴニ」討伐まで参加せず、エーテリアルノード発生候補まで移動できてしまう状況です。
特に「オヴニ」を討伐するまで、敵視を維持し続けているタンク役の方に、最も不利な状況となってしまい申し訳ありません。

この問題を解消するために、以下のような仕様変更を検討中です。
※実装および検証中ですので変更される可能性があります。

▼「オヴニ」の変更点

  • ノートリアスモンスター討伐から数分後にエーテリアルノードがPOPするように変更
  • BUFF「転送準備」の付与範囲をノートリアスモンスターバトルエリア内に限定するよう変更

▼「調査支援」の変更点
オヴニと仕様を合わせるため、以下の変更を加えます

  • ノートリアスモンスター討伐から数分後にエーテリアルノードがPOPするように変更
  • 「不安定化エーテリアルノード」がPOPするように仕様変更し、数分後に「安定化エーテリアルノード」に変化する仕様を追加
  • BUFF「転送準備」の付与範囲をノートリアスモンスターバトルエリア内に限定するよう変更

上記のような変更を加えることで、「オヴニ」および「調査支援」の途中抜けを防止します。
ただし、仕様調整の実装は慎重に行う必要があり、かつ、デバッグを徹底することから修正に今少しの時間がかかる見込みです。
そのため本日のHotFixでは修正が間に合わず、次回以降できるだけ早急に対応させていただく予定です。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

バルデシオンアーセナルの実装を振り返って(中川)

バルデシオンアーセナルは非常にチャレンジングな企画で、いままでにないバトルコンテンツとしての体験と楽しさを
プレイヤーのかたにお届けしたいという強い想いで企画いたしました。
バルデシオンアーセナルの楽しさの肝となる部分は「蘇生制限」で、この制限により「極度の緊張感」のなか
バトルコンテンツを攻略するという楽しみをだしたいというところから企画が始まりました。

これは、自分が過去に熱中してプレイしていたディアブロ2のハードコアモードや
ファミコン版ウィザードリィなどのプレイ経験から、ヒントを得たものです。
そしてこのような面白さや緊張感のある体験は、今バルデシオンアーセナルをプレイされている皆さんにもうまく伝えることができたと感じています。
またFFXIVでは前例のないほどの多人数での高難易度レイドダンジョンの攻略部分も、しっかりと面白さをだせたかなと思っています。

ただし、上に述べたような問題や皆さんがフィードバックしてくださっている問題などで、
多くのストレスを与えてしまったところは、今回最も反省している部分です。まだまだ向上、改善すべき点が多くあることに気付かされました。
大きく問題となっている部分はしっかりと修正改善し、また今後開発するコンテンツにも活かしていきたいと強く思っています。

FFXIVでの自分の仕事は、すべてのバトルコンテンツにおいて責任をもって楽しい体験をプレイヤーの皆さんにお届けできるよう企画開発を進めることです。
今回は禁断の地エウレカシリーズのバルデシオンアーセナルというコンテンツについてコメントさせていただきましたが、
すべてのバトルコンテンツにおいて、一貫してより良いコンテンツを作っていきたいという想いは変わりません。

今回のように大きく問題がでたときは、皆さんのフィードバックを真摯に受け止め、
しっかりと自らの考えていることをお伝えし、迅速に対応にあたっていくことを約束します。
今後ともよろしくお願い致します。

■今後について(吉田)■

再びFFXIVプロデューサー兼ディレクターの吉田です。

上記、開発チーム中川からのコメントにもあります通り、禁断の地エウレカシリーズは、
雲海探索ディアデム諸島シリーズから続く、FFXIV開発チームの挑戦コンテンツです。

FFXIVはベースのシステムを非常に大切にしており、できるだけ多くのプレイヤーならびにお客様に対して、
できるだけ快適にプレイをしていただくよう、極端なストレスを避けるようなコンテンツ実装を心がけています。
しかし、その一方で長時間のプレイや、極度の緊張感など、「良い意味での重いストレス」の先にもクリアした際の喜びがある、とも考えています。
ディアデム諸島やエウレカは、それらに類する「FFXIVの枠を破る」コンテンツタイプの遊びをコンセプトにしています。

それにより、ヒュダトス編では、サービス地域によって大きくフィードバック差が生まれたり、
今回のように想定不足による問題が生まれる場合がありますが、これを糧として、また様々な遊びをご提供していきたいと考えています。

パッチ5.Xシリーズでも新たな挑戦を始める予定ですが、引き続き、禁断の地エウレカについて、ヒュダトス編だけでなく、
全域にわたって必要な調整を行っていくつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします。